こんにちは!札幌市西区琴似にある女性専門整体院 Life(ライフ)琴似店です。

〜「いつ生まれてもOK」のその先へ。安産への扉を開く「骨盤」と「心」の準備〜
妊娠37週、正期産突入おめでとうございます! ここまで本当によく頑張りましたね。もう、赤ちゃんはいつ外の世界に出てきても大丈夫な状態です。
しかし、予定日が近づくにつれて、 「まだ産まれる気配がない…」 「陣痛の痛みに耐えられるだろうか?」 という、これまでとは違う種類の不安や焦りを感じているかもしれません。
ここからは、発想を切り替える必要があります。 これまでは「赤ちゃんをお腹の中で守り育てる期間」でしたが、これからは「外の世界へ送り出すために、体の出口を開く期間」です。
出産は、ママと赤ちゃんが協力して行う初めての共同作業。 そのパフォーマンスを最大化するために、**【オステオパシー・分子栄養学・産科・助産】**の専門視点で、ラストスパートの過ごし方を徹底解説します。
体は「出産モード」へ急ピッチで移行中
「正期産」とは、赤ちゃんが母体外で生きていく機能が十分に整った期間のこと。体の中では、出産のスイッチが入るのを今か今かと待っています。

1. 母体の変化:骨盤への「下降」
赤ちゃんが骨盤の中に降りてくるため、胃の圧迫感が取れて食欲が戻る人が多いです(出産前のエネルギー蓄積のため)。 一方で、膀胱や恥骨への圧迫はMAXに。頻尿になったり、足の付け根がつっぱるような痛みを感じたりするのは、赤ちゃんの頭がしっかりと骨盤にはまり込んでいる証拠です。
2. 胎児の変化:準備万端、あとはタイミングだけ
赤ちゃんの肺機能や皮下脂肪は十分に完成しています。 実は、陣痛のスイッチを押すのは赤ちゃんだという説が有力です。赤ちゃんの肺が完成し、特定のタンパク質が分泌されると、それが合図となって母体のホルモンが変化し、陣痛が始まると言われています。 つまり、まだ産まれないのは「ママのせい」ではなく、「赤ちゃんがまだ身支度の途中だから」なのです。
陣痛を味方につける心
「痛いのが怖い」 誰もがそう思います。しかし、恐怖心はお産の最大の敵です。
1. 「交感神経」は陣痛を遠ざける

恐怖を感じて体が緊張すると交感神経が刺激され、アドレナリンが出ます。
これは血管を収縮させ、子宮の入り口を硬くし、陣痛を遠ざけてしまいます(野生動物にも備わっている、敵に襲われた時にお産を止める本能)。
逆に、リラックスして副交感神経が活発になるとオキシトシンが出て、良い陣痛がやってきます。
「予定日過ぎちゃった、どうしよう」と焦るより、好きなアロマを焚いたり、美味しいものを食べて「幸せ〜」と感じる時間を増やすことが、実は一番の陣痛誘発剤なのです。出産すると自分一人やパートナーとの時間はがなかなか作れなくなるので、出産前にやりたいことを考えるのもいいかもしれませんね!
2. バースプラン:最後は「委ねる」
出産に対してはどうしても痛い・怖いというイメージがついてしまいますが、少しでもプラスのイメージを持って迎えられるようにバースプランを準備しましょう。

小さなことでも、ご自身の思う形の出産に近づけられた方が不安も少なくなります。しかし、どんなに準備しても、お産は何が起きるかわかりません。
完璧を目指すのではなく、「何が起きても、赤ちゃんと私の体は乗り越えられる」と信じて委ねる覚悟を持つこと。痛みの波に逆らわず、息を吐いて波に乗る。そのメンタリティが安産への近道です。
出産は、フルマラソン...?
出産時のカロリー消費は、フルマラソン完走に匹敵すると言われます。 ダイエットはもう終わり。ここからは「カーボローディング(エネルギー充填)」の時期です。

1. 炭水化物は「ガソリン」
陣痛が始まると、子宮という巨大な筋肉が数分おきに激しく収縮します。そのエネルギー源となるのは糖です。
グリコーゲンが足りないと、陣痛が微弱になったり、産後の疲労回復が遅れたりします。 正期産に入ったら、お米やお餅などの良質な炭水化物をしっかり食べて、肝臓と筋肉にエネルギーを貯蔵しておきましょう。
2. 粘膜強化のミネラル「亜鉛」
意外と知られていない重要ミネラルが亜鉛です。 亜鉛は、細胞分裂や粘膜の健康維持に不可欠です。十分に足りていれば、
- 子宮口(子宮頸管)が柔らかくなりやすい
- 会陰(えいん)の皮膚が伸びやすくなり、裂傷を予防できる
- 産後の傷の治りが早い
といったメリットがあります。 牡蠣、牛肉、卵黄などを意識して食べましょう。サプリメントを活用するのも賢い選択です。
骨盤を「開く」ための骨格調整
「骨盤が開く」とよく言いますが、具体的にどこがどう動くのでしょうか? オステオパシーでは、仙骨の動きを最重要視します。
1. 仙骨のうなずき運動
仙骨とは、骨盤の後ろにある三角形の骨のことです。
お産の進行中、赤ちゃんが骨盤の入り口を通る時と、出口を通る時で、この仙骨がうなずくように動く必要があります。

もし、お尻の筋肉がガチガチに固まっていたり、過去の尻もちなどで仙骨の動きが悪くなっていると、この動きがスムーズにいかず、お産が長引く原因になります。
正期産の施術では、この仙骨の可動性を最大限に引き出し、赤ちゃんが通りやすい道を作ります。
2. 「顎(あご)」と「骨盤」の不思議な関係
人体の法則として、「口(顎・喉)」と「骨盤底筋(産道)」は連動していると言われています。
陣痛の痛みに耐えようとして、歯を食いしばり、口をギュッと結んでしまうと、連動して産道の出口もギュッと閉じてしまいます。
今のうちから、口をポカーンと開けて、息を吐く練習をしてください。顔の力が抜ければ、お股の力も抜け、赤ちゃんが降りてきやすくなります。
恥骨の痛みについて
「急に恥骨が砕けそうに痛くなった」 「歩くと、お股に電流が走るようなツーンとした痛みがある」37週を過ぎてこの痛みが出始めたら、まずは安心してください。
それは、赤ちゃんが順調に骨盤の中に降りてきて、「頭という一番硬いパーツ」を骨盤にロック(固定)させたサインである可能性が高いからです。
しかし、痛すぎて動けないのは困りもの。 良い痛み(進行のサイン)とケアすべき痛み(歪み)を見極め、安産へ繋げましょう。
1.「良い痛み」と「悪い痛み」の見分け方
恥骨痛には、耐えていいものと、ケアが必要なものがあります。
✅ 良い痛み(お産が進んでいるサイン)
- 「ツーン」「ビリッ」とする一瞬の痛み: 赤ちゃんが頭を動かして、神経に触れている痛みです。「元気な証拠」「降りてきている」と捉えてOKです。
- 歩くと痛いが、休めば治まる: 重力で頭が下がっている証拠です。
⚠️ 悪い痛み(骨盤がねじれているサイン)

- 片足を引きずらないと歩けない: 左右の骨盤の高さがズレて、恥骨が上下に引き裂かれている可能性があります。
- 寝返りのたびに激痛で目が覚める: 骨盤が不安定すぎて、自分の筋肉で支えきれていません。
- じっとしていてもズキズキ痛む: 炎症が起きている可能性があります(恥骨結合炎)。
2.お産本番まで乗り切る「3つの守り方」
もうすぐ産まれるからこそ、恥骨を「保護」して、出産時の体力を温存しましょう。

① 「さらし」でお尻を締める
正期産では、市販の骨盤ベルトよりも、さらしがおすすめです。 さらしは伸縮性がないため、グラグラになった骨盤をガッチリ固定する「ギプス」のような役割を果たしてくれます。
「恥骨」と「大転子(太ももの外側の骨)」の高さで、少し強めに巻くと、歩行が驚くほど楽になります。 ※巻き方は来院時に指導します。
② 「寝返り」は膝を揃えて
寝返りは恥骨に最大のねじれ負荷をかけます。
- 両膝を立てる。
- 膝と膝をくっつけたまま(離さない)、ゴロンと横を向く。金魚のように、体全体で回るのがコツです。
③ 痛い時は「四つん這い」を避けるべきケースも

一般的に「四つん這い」は安産に良いとされますが、恥骨結合が開きすぎて痛い場合(離開の疑いがある場合)は、四つん這いになると重みで恥骨に負荷がかかり、悪化することがあります。
「やってみて痛みが強くなる」なら、無理に四つん這いをせず、横向き(シムス位)で過ごしてください。
セルフケア&NG行動リスト
🙆♀️ やってほしいこと(OK行動)

- 足首を温める: 足首の冷えは難産のもと。レッグウォーマーは必須です。
- おっぱいマッサージ: 乳頭刺激はオキシトシンを分泌させ、子宮収縮を促します(※張りすぎる場合は休み休み)。
- とにかく寝れる時に寝る: 産まれたら数ヶ月は朝まで眠れません。今のうちに「寝だめ」をしておきましょう。
- 赤ちゃんへの声かけ: 「いつでもいいよ」「一緒に頑張ろうね」と話しかけ、チームワークを高めます。
🙅♀️ 避けてほしいこと(NG行動)

- 遠出・一人での外出: 破水や急な陣痛に備え、いつでも病院に行ける範囲で行動を。
- ネットでの「陣痛 痛み 検索」: 恐怖心を煽るだけの情報はシャットアウトしましょう。案ずるより産むが易しです。
- 過度なダイエット: 出産直前に体重を気にしすぎてエネルギー不足になるのが一番危険です。しっかり食べて力をつけて。
妊娠正期の運動について
この時期は赤ちゃんが下に降りてくるのを促し、股関節の開く幅を広げることが大切です!
負荷量:★★★☆☆(調整・開放)
1. 重力を味方につける
- ウォーキング: 重力で赤ちゃんの頭が骨盤を刺激します。今までより少し距離を延ばしてもOKですが、疲労困憊になるまではやらないこと(出産体力を残すため)。
- 階段昇降: 股関節を大きく使うため、骨盤の歪みが整いやすく、陣痛付けにおすすめです。手すりを持って安全に。
2. 骨盤を開く「スクワット」

安産スクワット:
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- 足を肩幅より広く開く。
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくり腰を落とす(和式トイレのイメージ)。
- 完全にしゃがみ込まず、太ももに効くところで止めて戻る。
これにより骨盤底筋が刺激され、産道が柔らかくなります。
3. 雑巾がけ・四つん這い

中期・後期に引き続き有効です。赤ちゃんの背中がママのお腹側に来ることで、難産(回旋異常)を防ぎます。
妊娠初期からこれまで解説してきましたが、いかがでしたか? 赤ちゃんが元気にすくすく成長するためには、まずあなたの体が整っていることがいかに大切か、感じていただけたなら嬉しいです。
そして実はこれ、出産後も同じなんです。 ママの体が整っていることは、赤ちゃんにとって安心・安全な土台そのものだからです。
この10ヶ月間、大切に育んできたその体を、これからもずっと大切にしてあげてくださいね。
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キッズスペースを完備しており、託児も行なっています(保育士も在籍しております)。ママの体の状態はお子様の体にも影響が出ることが多いので、ぜひ一緒に来ていただければと思います。お子様の発達やお身体のチェック(向きぐせ、頭の形<斜頭・短頭・長頭など>、反り返りなど)も行なっていますので、気軽にご相談ください。

