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【札幌西区/整体】産後の抱っこ・授乳で腰が痛いときの工夫<研究レビュー>

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赤ちゃんを身体に近づけて抱く産後女性のイメージ(AI生成)

執筆・監修:菊地 健太(理学療法士)

まず結論です。産後の腰痛は「姿勢が悪いから」の一言では説明できません。妊娠・出産後の回復途中に、抱っこ、授乳、睡眠不足、同じ側へ偏る動作などが重なります。2025年のレビューでは運動に痛みと生活上の困りごとを減らす効果が示されましたが、全員に同じ運動が合うわけではありません。完璧な姿勢を固定するより、支えを使い、姿勢を小まめに変え、無理のない範囲で身体を戻すことが大切です。

産後の腰痛は一つの原因ではありません

赤ちゃんを抱き上げると痛い。授乳のあとに腰が伸びない。寝かしつけで歩き続けると重だるい。産後は一日に何度も同じ動作を繰り返すため、小さな負担でも積み重なります。

一方で、痛みをすべて骨盤のゆがみや筋力低下だけで説明することはできません。妊娠中から続く腰・骨盤帯の痛み、帝王切開や会陰の回復、腹部の使いにくさ、睡眠不足、育児への緊張、以前からの腰痛などが影響します。抱っこや授乳は「原因」と決めつけるのではなく、現在の負担を増減させる要素として考えます。

37研究・3,769人のレビューで分かったこと

Ruchatらの系統的レビュー・メタ解析は、産後1年以内の方を対象とした37研究、計3,769人をまとめました。体幹を含むさまざまな筋力運動を中心とした運動単独介入は、無運動と比べて腰痛・骨盤帯痛の強さを下げました。

4件のランダム化比較試験、210人では、0~10点の痛み尺度で平均2.21点低下しました。生活上の障害も6試験、296人で大きく低下し、根拠の確実性は中等度でした。

ただし、運動の種類・期間、産後の時期、痛みの定義は研究ごとに異なります。結果は「腹筋をすれば必ず治る」「抱き方を一つに直せば改善する」という証明ではありません。痛みを我慢して回数をこなす必要もありません。

抱っこで腰に負担が集まりやすい場面

赤ちゃんを身体から離して持つ

同じ重さでも、身体から遠いほど腰には大きな力が必要です。抱き上げる前に赤ちゃんへ近づき、足幅を取り、腕だけで引き寄せず身体全体で立ち上がります。

片側の腰へ乗せ続ける

片側抱っこは便利ですが、長時間続くと体幹が横へ傾いた状態になりやすくなります。左右を機械的に同じ回数にする必要はありませんが、反対側、正面抱き、座位、抱っこひもなどへ切り替えましょう。

低い場所で前かがみを続ける

床でのおむつ替えや低いベッドへの寝かしつけでは、腰を丸めたまま止まりやすくなります。片膝をつく、台の高さを変える、作業を身体へ近づけるだけでも負担の集中を減らせます。

授乳時は赤ちゃんを自分へ近づける

胸を赤ちゃんへ近づけようとすると、背中と腰が丸いまま長時間固定されます。背中、肘、赤ちゃんの下へクッションや丸めたタオルを置き、赤ちゃんを自分へ近づけます。足が浮く場合は足台も役立ちます。

授乳中ずっと背筋を伸ばす必要はありません。大切なのは一つの姿勢を正解として固めないことです。座位、横向きなど授乳方法は、乳房の状態や赤ちゃんの飲み方も関係するため、困る場合は助産師へ相談してください。

痛みの場所と動きを分けて観察する

「腰が痛い」といっても、中央、片側、お尻に近い場所では困る動作が異なります。まずは、抱き上げる瞬間、抱いて立っている間、授乳後に動き始める瞬間のどこで痛むかを分けてみましょう。すべての動作を避けるのではなく、負担が集中する場面だけを短くする方が、生活を保ちやすいことがあります。

痛みを0~10で記録し、動作直後だけでなく数時間後と翌朝も確認します。一時的に少し感じてもすぐ戻るのか、時間とともに増えるのかで調整方法は変わります。痛む側と反対へ無理に矯正する必要はありません。赤ちゃんの体重や機嫌、授乳時間も毎日同じではないため、昨日できた量に合わせる必要もありません。

抱っこひもは「製品」より装着状態を確認

抱っこひもは両手が空き、負担を分散しやすい一方、ゆるすぎると赤ちゃんが身体から離れ、腰を反って支えやすくなります。説明書に沿って装着し、赤ちゃんの顔が見え、気道が確保され、キスできる程度の高さを目安にしてください。月齢・体重に適合する製品を使い、長時間連続で使用せず休憩を入れます。

腰ベルトだけを強く締めればよいわけではありません。肩ひもの左右差、赤ちゃんの位置、服の厚みで感じ方は変わります。赤ちゃんの顎が胸へ強く曲がる、顔が覆われる、呼吸が確認しにくい場合はすぐに装着し直します。

産後の運動は段階をつくる

最初の段階は、楽な姿勢で呼吸し、短く歩き、日常動作を分けて行うことです。次に、椅子からの立ち座りや軽い脚・体幹運動を少ない回数から追加します。最後に、抱っこした状態での移動など実際の育児動作へ近づけます。

痛みがあるから身体が壊れているとは限りませんが、痛みを無視して進める必要もありません。帝王切開後、出血が続く時期、産後健診前、持病がある場合は、開始時期を産科へ確認してください。運動で症状が軽くなる可能性と、休息や家族の協力が必要なことは両立します。

今日から試せる3つの工夫

1.30秒だけ姿勢を変える

授乳や寝かしつけの区切りで、立つ、数歩歩く、肩をゆっくり回すなど、短い変化を入れます。強く反らす必要はありません。

2.息を止めずに立ち上がる

椅子から立つとき、息を吐きながら足裏で床を押します。痛みが強い日は手で支えて構いません。できる回数から始めます。

3.一日の総負担を調整する

運動を増やした日に長時間の外出も重ねると、回復量を超えることがあります。痛みが翌日まで大きく増えるなら、時間や回数を減らします。

産後は「頑張れるか」より安全性を優先します。出血が増える、傷が強く痛む、めまい、息切れ、骨盤底の重い感じが強まる場合は中止し、産科等へ相談してください。

医療機関へ相談したいサイン

  • 発熱、悪露の悪臭・急な増加、腹部や傷の強い痛み
  • 尿や便が出にくい、漏れ方が急に変わった
  • 会陰部の感覚低下、両脚のしびれ、力が入りにくい
  • 転倒後の強い痛み、安静でも悪化する痛み
  • 片脚の腫れ・熱感、胸痛、息苦しさ

急な筋力低下、排尿排便障害、胸痛や呼吸苦は救急相談を優先してください。

よくある質問

骨盤ベルトをずっと着けた方がよいですか?

楽になる方もいますが、位置や締め方が合わないと動きにくくなります。使用時間を含め、産科や理学療法士等へ確認しましょう。

腹筋運動を始めればよいですか?

いきなり強い腹筋運動を選ぶ必要はありません。呼吸、立ち座り、軽い歩行などから始め、傷や骨盤底の症状に合わせて進めます。

整体で産後の腰痛は治りますか?

原因の診断や改善保証はできません。当院では痛む動作、左右差、生活環境を確認し、医療の方針を妨げない範囲で動作や運動を提案します。

まとめ

産後の腰痛は、回復途中の身体に抱っこ・授乳・睡眠不足などが重なることで続く場合があります。姿勢を責めるのではなく、赤ちゃんを近づける、支えを使う、同じ姿勢を短くすることから始めましょう。運動には効果が期待できますが、体調に合わせた調整が前提です。

一人で姿勢を守り続けるより、授乳場所を整える、抱っこを交代する、床の作業を減らすといった環境調整も大切です。「正しくできない自分」を責めず、回復できる余白を増やしていきましょう。

参考文献

  1. Ruchat SM, et al. Impact of exercise on musculoskeletal pain and disability in the postpartum period: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2025;59(8):594-604. PMID:39922568. DOI:10.1136/bjsports-2024-108488.
Life琴似店院長 菊地健太この記事の執筆・監修菊地 健太
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北海道札幌市西区二十四軒4条4丁目13-2
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